ぬるぬるキャンプ ♨

島根鳥取の旅、最終日。

まるで夏の終わりを拒んでいるかの様に太陽はしぶとく眩しくギラついていた。

コバルトブルーに輝く海を見つめていると一瞬だが時が止まる。。。

そんな錯覚を覚えるが、今考えてみるとそれは願望が混じっていたのかもしれない。

前に進む為には、この瞬間を忘れないようにここにきた証を刻んでおかなければならないのだ。

そう言い聞かせて我々は立ち上がった。。。

重装備引っさげてここまできたというのに前日の釣果はまさかのボウズという酷い有様。

その汚名を晴らすべく5時に皆を叩き起こし、牧谷キャンプ場近くの田後漁港へ向かった。

ルアー、アジング、エギングの仕掛けを作り今日こそは！と気合が入る。

さぁ、行って来い！！



どーなの！どーなの？



ねぇ？アタリ。。。あった？？



チーーン。。終了。。。

メインとも呼べる楽しみだったのだが、ワタシの夢は儚くも山陰の海へ砕け散った。。。

この日はまわりも釣れていなかった！という言い訳だけはさせて！（涙）

証刻めず。。



人は悲しみに暮れるとなぜ腹が減るのだろう。

ヤケクソの海鮮丼を喰らおうということで30分かけて鳥取港近くの場外市場「かろいち」へやってきた。

こっちの方がシーバスの魚影は濃そうだったな。。。



まだ朝早いので店が開くまでブラブラします。



でっかいカワハギにキス。

アオリイカは買って帰ろうかな。。。



魚種は豊富でワタシが釣るはずだった青物も。

サゴシめっ！

こんなところにいやがったとは！



とんでもない大きさの赤イカは見た目結構グロいですね。

目玉は500円硬化を一回り大きくした特大サイズ。

良いお値段に皆びっくりです。



山陰といえば蟹。

鳥取の食の玄関口には新鮮で安く手にはいる商店がたくさんあります。

あまり活気はなかったけど平日はまた違うのか？



朝10時半オープンのこちらの店で海鮮丼をワシワシ食います！

さて、お味の方はどうなのか？



たかきんさんがチョイスしたイカ丼定食、1,880円。

希少部位を使っているそうでこのお値段。

もしかして。。。あの高級赤イカですか？



ワタシとTO-Yさんは海鮮チラシ丼定食、T山さんは特選海鮮丼定食をチョイス。

鮮度も良く魚介は美味いが、如何せん量がなぁ。。。

ここ3日間食ってばかりなのでまぁいいけど。



若干の不満を覚えつつも気をとりなおして観光に向かうことにします。

そこは鳥取の観光スポットで一番有名であろう鳥取砂丘。

東西16km、南北2.4kmと広大な砂丘で、その中心部の約146ヘクタールは海岸砂丘として国内で唯一天然記念物に指定されているそう。

数字ではなんだかよくわからんので実際に自分の目で確かめてみよう。



この階段を登った先に砂丘が広がっている。



おおっ！目の前に広がる巨大な蟻地獄（笑）

照りつける太陽のせいで砂丘というよりも砂漠と表現した方がしっくりくる。

こんな日に限って暑くなるなんてねぇ。。。



目の前にそびえ立つ第二砂丘、通称「馬の背」

その砂の壁に圧倒される

皆、ここを必死に登っていきます。

どうする？やめる？

いや、ここまできたら行くしかないよね？（汗）



なぜか一人テンション、アガっているT山さん。

特に斜度のきついところをめがけてどんどん進みます。

たかきんさんから高額で買い取ったサンダルがここでは有利。



我々はなるべくゆるいところを登りますが、足元を砂で取られて思った以上にしんどい。

靴の中は砂だらけ。



上から見ると高低差が実感できる。

その最大高低差はなんと90メートル！

たかきんさん、がんばれ〜！（笑）



頂上到着！

地元の中学生らしき陸上部員だろうか。

顧問の先生が笛を吹くと元気にいっぱいに海へ向かって走り出した。

若いっていいなぁ。



我々3人は初めて見るこの光景に感動。

なんだかやっと「鳥取来たのだなぁ」と実感を覚えました（笑）



当然のことながら帰りもここを下るんだよね。。。

急な下り坂の後に待っている微妙に長く続く上りで乳酸がたまる。

日頃の運動不足が露呈しております。

タクシー感覚で「へいっ！ラクダ！」と手をあげても来てくれません



早朝から遊んで牧谷キャンプ場へ戻って来たのが13時くらいだったか。

期待していた昼間のサイトからみた景色はまるで南国リゾート地のよう。。。

島根の桂島キャンプ場もそうでしたが、やはり山陰の海沿いキャンプ場の付加価値は時間を忘れるほどの美しい海と大きな空。

プライスレスな雰囲気は、またこの極上キャンプを満喫しに来たいと思わせてくれた。



予備でザックへ突っ込んでおいたGo Pro5を使って小さな島をバックに記念撮影。

最高の思い出になった。



旅もそろそろ終わりを迎えようとしていた。

それを拒むかのように皆足取りが重く、この4日間の疲労が少し溜まっているようにも見える。

カンカン照りの中、砂丘とテント撤収で体力を奪われたのがトドメでしたね（汗）

空港へ行く前にサッパリしに岩井温泉へ立ち寄りました。



立派な老舗温泉宿。

こういうところも良いのだけれど。。。



我々にはこういうところの方が似合っています（笑）

地元の方に愛されている公衆浴場「ゆかむり温泉」

岩井温泉は1300年の歴史を誇る山陰最古の温泉で「湯かむり」という頭に手ぬぐいを乗せ柄杓で湯をかむるという江戸時代から伝わる風習があります。

ふむふむ、手ぬぐいとな？



あるやん！たかきんさんから頂いた鬼太郎手ぬぐいが！

メンバー全員柄の違うサプライズには感激。

それに引き換え我々ときたらTシャツは売りつけるわ、御宅に押しかけご馳走になるわで。。。（汗）



手ぬぐいを頭にかぶせてゆかむり唄を歌いながら旅の疲れを癒します。

メロディ知らないけど。

はぁ、極楽や。。。



鳥取ブランドで思い浮かぶのが大山。

今回大山どりを食す機会がなかったのだけど、その代わりに飲んでみた白バラ牛乳。

大山の豊かな自然の中で暮らす牛から絞ったミルクです。

腰に手を当てて一気飲み。



畳の部屋でゴロンとなってまた動けなくなる。

「嫌や。。。帰りたくないんや〜っ！」と喚いてみても時間は無情にも過ぎて行く。



鳥取空港に到着、レンタカーはこちらで乗り捨て。

帰りはここから一気に羽田へ。

行き12時間かけて帰り1時間半とは。。。



行きにえらい苦労した大荷物は宅急便で自宅へ送ります。

しかしここでちょっとしたアクシデント。

預けられる荷物のサイズが改定されていたようで、例のロッドケースが３辺の和の規定を超えてしまったのです。

まさか置いて行くわけにもいかず試行錯誤。

一番長いジグキャスターを抜いてケースを縮めればギリいけることが判明。

期待していた竿での釣果がボウズに終わり、最後こんなことになるなんて。。。踏んだり蹴ったりです

ジグキャスターは単品で厚みが出ないようにダンボール加工し、こちらもなんとか事なきを得た。

やっとの思いでターミナル内へ。



鳥取空港管理事務所、通称鳥取コナン空港は今年で開港50周年。

チケットカウンターは3つしかありません。

あまり飛行機旅はしないのでよくわかりませんが、こんなコンパクトな空港は初めてでなにか新鮮。



わざわざこちらまでお見送りに来てくれた、たかきんさん。



ANAのお姉さんの笑顔が素敵ですな。

手荷物を預けてレストランで飯を食おう。



とりあえずワタシは本日1杯目のビールで乾杯！

たかきんさんが予約している高速バスの出発時刻10分前に、あごちくわ、フライドポテト、アイスクリーム、ホルモン焼きそば×2、ビール×6を腹の中へ急いでおさめた



そして別れの時。。。

衣食を共にする旅には我々なりの条件があり、それを一言で表すと「気を使わないで自分が一番楽しむ」というテーマがあるのだ。

だからTO-Yさんがテントに潜り込もうが、T山さんが暑くて脱ぎ出そうが、ワタシが一人釣りに出かけようが誰も文句を言わないのである。

そういった意味でも彼女には変な気を使わなかったし求める雰囲気も感じられなかった。

「いや、少しは気を使えよ！」とか「のどぐろ食った分の金払え！」といったようなご指摘は控えて頂きたい（笑）

なぜなら彼女は焚火居酒屋のれっきとした仲間なのだから。

自分を楽しんでくれたはず。。。と、そう思いたい。

最後に「次回は岡山待ち合わせでサンライズ瀬戸に乗って旅へ出よう！」と誓って我々は別れた。



出発カウンターでもギリギリまで飲む！

それが俺ら焚火居酒屋！（爆）

つまみは既に販売終了したカールを購入しポリポリ。。。



ANA298便は東京へ向かう最後の便。



逃避の旅から現実世界へ誘うゲートを潜り。。。（涙）



あっという間に巨大ターミナル羽田に到着。



3泊4日（車中1泊）の旅が無事終了。

お疲れ様でした！

我々にとってとんでもなく時間も金もかかったけどそれ以上の価値がこの旅にはあった。

それは島根、鳥取で体験した記憶であり生涯の宝にきっとなるはずだ。

確かにもっと素晴らしい旅はあるだろうし、これからも追い求めていくだろう。

人は歩みを止めた時、そして挑戦をあきらめた時。。。なんて言葉はあるが、そんな大げさなものではなくてただ単純に悔しいからなんだけど（笑）

しかし根底に今回の旅がなければそもそも成立しないのである。

羽田空港の到着ロビーでそんなことを考えているとすぐ前を歩くT山さんが目に止まった。

我々の向かうべき道を指し示すかのようにTシャツのバックプリントに刻まれたその文字が一際輝いてみえた。

この言葉を残して今回の旅を締めたいと思う。



Our journey ever goes on...

完

そう！我々の旅はまだまだ続く！

重い荷物を担いだまま浜松町の地下街を通り抜け。。。



打ち上げ兼、次の旅の夢を語り合う会が急遽開催される！

今回の旅で気が大きくなっている焚火居酒屋。

次は北か南か？はたまた海外かっ！

まだまだ呑みまっせ！











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