ぬるぬるキャンプ ♨

連休が取れたので「三宅島でカンパチやらシマアジ釣って宴会だぁ」なんて計画立てていたところへ台風14号の直撃予報。

「あ〜ら残念、まぁこの時期ですし仕方ないですね？またの機会に、ご機嫌よう。。。」

なんて選択肢が既に旅モードで仕事も手に付かない程浮き足立っていた我々にある筈がない。

太平洋上に停滞する巨大熱帯低気圧に邪魔されず、ぬるぬる宴会を決行できる場所に当てはあった。

娯楽の為ならすぐに決断し決行するのが良いところだと自負している（笑）

獲物は青物からアオリイカに変更だ

という事で新潟港からカーフェリーに乗って佐渡島へ渡った。

本州本土から40kmほど離れた日本海に浮かぶ楽園に、実に4年ぶり3回目の上陸だ。

まずは釣り場のリサーチを兼ねて地元の有名な釣具店でエサとなる冷凍オキアミを購入。

メインはイカだがアジなんかも釣って、あわよくば泳がせて大物も狙っちゃおうという作戦で。



今回は外海府にあたる相川〜入崎を拠点とした。

後ろには金北山のある大佐渡山地が構えているので、東側から巻いてくる風の影響が少ないと睨んだからだ。

小さな漁港へ辿りついた。

あ、今回キャンプ要素は少なめで釣りメインのぬるぬる旅ですわ。



初めてのこの場所を選んだのもこのお方。

「やっぱ、行ったことのない場所が良いだろう」だとか「ここは釣れる気がする！」とか何の根拠もない酔っ払いの戯言なのだが、これがたまに的中するから無視できない。

「釣れる気がする」と言っておきながら漁港に併設されている小さな土産屋の店頭に並んでいた塩辛をつまみにしているのはどういう事だい？？

信用されてないのね。。。



ザマァみろ

全く釣れていないのを見かねてか地元のお母さんが「ほれ、ここにいるよ！」とナビしてくれた。

エギのサイズは3号で見事にイカを引っ掛けることができた。



立て続けに今日一サイズのアオリ。

シャクリからのフォールで抱きついてきた迷子イカは墨を吐きながら抵抗する。

その後もう一杯追加して今日の食材を無事確保することができた。

エギング名人ならばもっと釣れたであろうが、まぁ満足。

「今日はこんなもんで許してやろう！」のドヤ顔

釣具店で購入した冷凍オキアミはこの日使わず、明日へ持ち越しとなった。

これが悲劇の始まりとなる。。。



日が暮れ始めたので、キャンプ地で宴会の準備だ。



今回は真野湾を一望できる窪田キャンプ場でお世話になった。

非常に小さなキャンプ場で設備は最低限なのだが、ここの管理人の親父さんがおしゃべり好きで面白い。

間違いなく良い方（笑）



久しぶりのテント設営に苦戦するT山さんはお馴染みツーリングドーム。

そしておや？

そのお隣にあるのは。。。



ジャン！

高級新幕のヒルバーグ アラック２!

1年くらい前に手に入れた真っ赤なヒルバーグをこの地で張ることできた。



「オラオラ、観念せい！」

アオリ3兄弟を煽っていきます

釣ったその場で締めたから鮮度も抜群だろう。



刺身は非常に濃厚で甘味も強く、イカの耳はコリコリとした食感が堪らない。

地元民はこんな旨いものが毎日食えるのか！

羨ましいすぎて許せん！



T山さんが調理したこちらはゲソバター。

こちらも旨くてビールに最高にあうツマミでした。



タイドグラフを確認すると明け方4時に大きな潮の動きがあるので宴会を切り上げ早めの就寝。

釣りメイン旅なので、申し訳ないのだが３時半にT山さんを叩き起こす。

文句も言わず付き合ってくれるのはありがたい。

基本ビールを飲めればなんでも良いようなので釣りは私、飲み係はT山さんとこの2人旅は完全分業体制が徹底されている。



昨日、好調だった同じ港へ。

電気浮きを流しているお父さんに話しを聞くも素っ気ない態度を取られてしまった。

きっとここは魚も釣れるけど、それを隠そうとしているに違いない！



足下でサビいても全く当たりなし。

オキアミの強烈な匂いにつられてやってくるのは鬱陶しい吸血羽虫とスズメバチ

それらと格闘しているT山さんの酒の匂いも原因なんじゃないか？

こりゃ魚は回ってこないなと思ったので少し仕掛けを投げてみたところ。。。



アジ！いてますやん！

投げてはすぐに浮きが沈んで、面白いように釣れます。

日が完全に昇ってから釣れ始めたので、朝3時半起きの意味は全くなかったけど。

キリ良く食べ頃サイズを10匹確保し移動してみることに。

片付け最中に異変に気付いた。

最初オキアミを使っていて鼻がバカになっていたから分からなかったけど、釣り座を綺麗に掃除しても何か臭いが取れていない？？

臭いの元を辿ってクンクン。

クンクンクン。。。

「車がくせぇぇぇぇえええ！！！」

3重のビニール袋が何かの拍子に破れ、溶け出した冷凍オキアミの臭い汁がリアのカーペットに染みているではないか。

ファブリーズ丸々１本使っても取れない臭いに科学が、いや人類が敗北した瞬間であった。。。

これならば魚も虫も寄ってくるわなぁ（汗）



異臭騒ぎは東京に戻るまでどうしようもないので、諦めて鼻をつまみながら夜逃げ号で入崎付近へ。

キャンプ場もあるようだが今はシーズンオフ。

芝もフカフカでここにテントを張れたら気持ちよさそうだ。



たまたま立ちよったこの場所だが、ウェーダーを着込んだルアーマンがちょうど戻ってきたところだった。

釣果を聞いてみると早朝はでかい平政かカンパチが何を投げても食ってくるお祭り状態だったというので、それ相応のタックルでなければ太刀打ち出来ないだろう。

今回持ってきている一番硬いロッドを引っ張り出し、一度は諦めた青物にチャレンジしてみることに。



比較的足場が良く素人でもエントリーしやすい磯。

目の前に根があってそこさえ気を付ければ問題なさそうである。

前に広がる大海原へ向かってトップ投げたりジグ投げたり色々やってみた。

睡眠不足だし腕がパンパンだし普段ならばすぐにギブアップしているところだが、それが無心になって5時間近くも竿を振り続けられたのはこの海の何かに惹かれたからだと思う。

全く何もなかったと思ったら次の瞬間バコっと水面が割れるかもしれないという期待感を感じさせてくれる。

結果から言うとここでは坊主だった。



心地よい疲労に包まれながらキャンプ場へ戻る途中、次回のチャレンジを沈みゆく夕日に誓った。

感動的だけど車は相変わらず物凄く臭い。。。



今晩はアジづくしだ。

ブリ、平政、カンパチと青物御三家は釣れなかったけどアジだって青物だい！



最後の晩餐は新鮮な刺身となめろう。

なめろうの味噌はわざわざ持参したもので、東京を出発する時に薬味も一緒に購入しておいた。

いつもの旅では仲間から「釣れねぇじゃねーか」とか「また誰からもらってきたの？」とか言われっぱなしだが今回は面目躍如だ。

お味は言わずもがな美味い！



この時期の佐渡島は朝晩結構冷えこむ。

久しぶりの焚き火を前に火のありがたみを感じる。

真っ赤にゆらゆらと、時にバチっと爆ぜる薪に魅入っていると、次第に口数は少なくなりいつの間にかそのまま落ちてしまった。

いつ以来の椅子寝だろうか？

一日遊んで美味いものを食って酔っ払って倒れる。

いつも思うが極上にぬるい旅だ。



帰りは両津港9時発のカーフェリーを予約していた。

港へ向かう道は見事なまでに真っ直ぐで思わず車を止めてファインダーを覗いてしまった。

朝の透き通った空気と柔らかく輝く日の光がシンメトリーの構図をより際立たせる。

最終日にこんな恵まれた天気だと、帰りたくなくなるのも仕方ない。



両津港の土産センターにも一番乗りで誰もいない。

非日常のシチュエーション。



船の受付が始まるまで最後の悪あがき（笑）

大型船がつくこんな中心部の港でも至る所に墨跡があった。

エギンガーを多く見かけ、改めて佐渡島は「アオリの聖地だな」と思った。



巨大青物との対決という次回の課題もできたので、作戦練ってリベンジするっきゃない！

３回目の訪問ともなると「こなれた感」が出るかな？思ったが、島のポテンシャルはまだまだ底知れなくて圧倒されっぱなしだった。

また、くるっちゃ！思い出の佐渡島！






番外編？？

旅の締めは美味い蕎麦と決まっている。

新潟港から車を少し走らせればへぎ蕎麦の名店があるが昼時で混んでいるようなので、それならばと昔訪れたことのある越後湯沢のとある蕎麦屋へ。

その店は大型改装が入ったようで小洒落た店に様変わりしていて、残念ながら蕎麦の味も変わってしまったように思えた。

わざわざ高速を途中で下りて立ち寄る程の価値はなくなってしまった。

無念。。。



昔のように期待を裏切られても癇癪を起こさない。

我々も成長したということだ（笑）

足湯浸かって帰ろ。。。








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